名前:てーてーのひと 投稿日:2015-07-13
スポーツカー、2ドアクーペ。MT車。
モータースポーツ好きの自分がクルマを持つならと、
小学生の時から決めていた絶対に譲れなかった条件。
社会人になって1年が過ぎ、
中古ならそろそろクルマを持てるんじゃないかという額も貯まった2009年秋。
S2000やMR-S、RX-7にSupraと色々迷った結果、選んだ初めてのクルマがAudi TT quattro(8N)。
当時既に9年落ち、複数オーナーを巡った個体。
車検も切れてた。
それでも状態は良く23,800kmと低走行。
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何より実車の質の良さに驚いたのと、乗り込んだ感覚がしっくりきて試乗したその場で即決。まさか自分が外車に乗るなんて思ってもみなかったけど、
初めての左ハンドルに迷いはなかった。
偶然発生した書類手続の遅れが原因で、
TTが再登録された日は奇しくも自分の誕生日と同じ。
あれから6年近く本当に色んなバカに付き合ってくれた。
納車の日、平日遅くの暗がりの中。
ミラーの調整もロクにできずに、免許取って以来6年振りの下手くそな車庫入れでいきなり右リアホイールを盛大にガリった。
スポーツカーだからおイタは一通りやった。
ドリフトはしてないけど。
とある休み、いつものドライブ道中で天気がいいからとふらっと高速乗って、目的地も決めずに走り続けた先は戸隠山の頂。
日帰りで700km走ったのもいい思い出。
もう一つの趣味、ギターでバンド組んでからはアンプまで運ばせて機材車扱い。
面倒みてもらってるししょーには「TTの使い方を完全に間違えてる男」なんて言われる始末。
けっこう維持費がかかってなかなか手を入れられなかったけど、
脚を替えてカーボンパーツで少しだけお洒落もさせた。
走り方だけじゃなくて、人、場所、経験、色んなことを教えてもらって、世界を広げてもらった。
今人並みに運転できて、自慢できる仲間がいるのも、TTが派手に壊れず付き合ってくれたからだと思う。
あ、でもウォーターポンプ交換とABSユニットが逝ったのは正直痛かった。
TTに乗るようになって5年半が過ぎた頃から、ししょーの言葉を借りるなら"本来の使い方"でも乗れるようになった。
驚くほど楽しく、スムーズに事が進んでる。
だけど、それは今まで通りTTにお金をかけられなくなるということ。
何があっても乗り潰す気でいたけれど、日本で外車のオーバーホールをするのは莫大な費用がかかって非現実的。
2台持ちも、自分の安月給じゃとても出来ない。
散々悩んで、TTを手放すことにした。
後継車は、婚約者が気に入って勧めてくれたクルマにした。
最後に、
「自分が絶対譲れなかったクルマの条件を、捨てられるくらいの人を隣に乗せてくれた」
一台目がTTで良かった。
5年と9か月、一緒に走った距離は32,464km。
ありがと、お疲れ。
最後のシャンパンファイトのお別れは忘れない。