名前:TEN 投稿日:2014-08-16
TVで白血病の子供が紹介されているのを観ました
余命宣告を受け
痛く辛い治療に耐え
それでも病状は進行していく
子供とその両親
「奇跡」という言葉が
頭をよぎりました
東京の大田区に住んでた頃
当時、多摩川沿いのグラウンドで週末だけ近所の少年サッカーのコーチをしてました
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もともと地元の父兄会の繋がりでコーチをしてた職場の先輩が転勤になったため、俺が引き継いだんですが
よくサッカーの練習を見に来ていた親子に
同じく白血病の男の子がいました
「頑張って病気治したら、サッカーチームに入れてもらおうね」
病気のため雪のように真っ白な顔をした男の子に母親はいつもそう言ってました
寒いグラウンドの端っこにあるベンチで
隣に座って同い年の子供達がサッカーをしてるのを見てる親子に
俺はなかなか話しかけることもできず
病気のこともサッカーチームにいる他の子供の親から聞きました
この寒いなか、いつもサッカーの練習見にくるくらいやから、よっぽどサッカー好きなんだろうけど
その子はどちらかというと無表情で…
でも
俺はよくボール追っかけてる子供達に指示するとき
指笛を吹いてたんやけど
ふと振り返ると
その子と目が合いました
「何……
ああ…指笛かぁ」
その子がうなづきました
「指笛がどうしたん」
「………」
「教えてやるよ
いいか…指をこうやって口にくわえて…」
フーフーフー
(`ε´)
なかなか音は出ません
「もうちょい口閉じて、真ん中からだけ息出すんだ」
それからは
寒いサッカーグラウンドのベンチで
小さな体に
服をたくさん着込んで丸くなって
俺の隣でサッカー見ながら
フーフー
(`ε´)
そのたびに膨らむ男の子のほっぺと
それを見つめている母親の表情を
時折振り返っては交互に見ていました
クリスマスも近づいたある日
その日も親子はサッカーの練習を見に来ていました
相変わらず俺の隣でサッカー見ながら
フーフーフー
(`ε´)
練習してる子供達を呼び集めようと思い
ベンチから立ちあがったときです
鼻に…
ひやっ…
見上げると白くゆっくり…