名前:泣ける名無しさん 投稿日:2009-09-25
今日、彼女の三回忌だった。
3年前のあの日、もっと一緒にいてやればよかった。
当時、俺には中学から付き合ってる彼女がいた。
2月下旬のことだった。
俺は大学に行くため必死に勉強していた。
何日も徹夜続きで、すこしイライラしていたせいか、
彼女が家に飯を作りに来たとき、
食べるだけ食べて、すぐに邪魔だから帰ってくれと言った。
彼女は、怒りもせずに笑顔で
「あっ、ごめんね。気が利かなくて」
とだけ言い、すぐに出て行った。
翌日からも、メールだけは、毎日5件は必ずあった。
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内容はほとんど同じ。[題:返事はいいからね。
本文:勉強はかどってる??・・・ってあたしが邪魔してるよね。
でもメールくらいはさせてね。それじゃ、大学合格しますように。]
俺はほとんど返事もせずに、勉強ばかり。
そして、忘れもしない3月14日、
街はホワイトデーというもので盛り上がっている。
そんな日でも、俺は勉強。試験が近いから焦っていたのだ。
そして、息抜きに「フッ」と携帯を見ると珍しくメールが来ていない。
なぜだろうと思いつつも、風邪でも引いたのかと思いこの日はすぐに寝た。
夢に彼女が出てきて、「もう別れよう。あなたといるとこっちまで疲れる。」
とだけいい、彼女は闇の中へと消えていった。
ここで目が覚めた。
暗闇のなかで携帯が光っていた。
彼女からのメールだ。
内容は
[昨日あたしの誕生日。やっぱり忘れてたね。
でも勉強忙しいから仕方ないよね。気にしないでね。
怒ったりしないから。それじゃ、さよなら・・・]
このときは気づかなかった。
このさよならが永遠のさよならになるなんて。
俺は普通に返事を返したが、
返事は返ってこなかった。 いや返せなかったのだろう。
それからメールはこなくなったが、
俺はそんなこと、すっかり忘れていた。
試験が終わり、運命の合格発表・・・
結果は見事合格。
俺は真っ先に母でもなく、父でもなく、
彼女に電話を掛けた。
しかし、電話は繋がらない。何度掛けても同じだ。
俺は向こうの電波が悪いんだと思い、
先に両親に電話を掛けた。
そして、時間をあけてもう一度電話したが、
やはり繋がらない。
携帯は諦め、彼女の家に掛けると、
彼女の母がでた。
俺は浮かれた声で、彼女に代わってくださいと言った。
が、彼女の母は、「もう・・・いない・・・」
と間の長い言葉を言った。
俺はなんのことか解らずどこへ行ったかわかりますか。
と聞いた。
次の瞬間、彼女の母の言葉に俺の背筋は凍りついた。
泣きながら今にも消えそうな声で
「天国・・・」
俺は無心になり、その場に立ち呆けていた。
しばらくその場に突っ立っていたが、
いつの間にかバイクにまたがり、
彼女の家に向けバイクを走らせていた。
そして10分後、
インターフォンも押さずに彼女の家に入ると、
そこには、彼女の写真とたくさんのお花があった。
俺はなにが起こったのか理解できず、
彼女の母に震える声で、
彼女はどこへ行ったのか
尋ねるが彼女の母は、
泣き崩れていて返事はできなかった。
俺は、きっと幻を見ているんだ。
と思い、部屋を飛び出した。
俺は、無意識に彼女との思い出の場所をバイクで回っていた。
公園、川辺、二人の秘密の海岸、どこかに彼女がいると思っていた。
必死に探していた。
しかし、いるわけない。
だって彼女はもうこの世にはいないのだから・・・
後日、彼女の母が彼女の日記を持ってきた。
抜け殻のような俺は目ではなく、魂で見ているようだった。
日記に目を通す。
彼女は病気になった日からこれをつけてるらしい。
俺の誕生日の日、
10月28日
今日は彼の誕生日。
でも勉強だからプレゼント渡しに行っただけ。
1日ぐらい休んだらって言いたかったけどやめた。
どうせ、そんなことして落ちたらどうすんだよ。
って怒るに決まってる。
だめだ。こらえられない。涙が溢れてくる。
そして、彼女の誕生日、
3月14日
今日は私の20歳の誕生日だぁい。
でも彼は勉強・・・