名前:ha 投稿日:2018-02-26
10年前……当時17歳の高校2年生だった私には、幼馴染みの男子がいました。(その子をAとします)
Aのお母さんと私のお母さんはとても仲が良く、家も隣。
Aと私は保育園から高校までずーーっと一緒のいわゆる腐れ縁でした。
そして私は小学校四年生の頃からAに恋心を抱くようになりました。
でもAはどう見ても私に対して"幼馴染み"として接しているようにしか見えないので、告白やアピールなどは全くしませんでした。
そして中学を卒業して、高校生になりました。
高1で同じクラスになり、高2でも同じクラス。
そして高2の冬頃、私の友達がこんなことを話してきました。
「Aってクリスマスの日に好きな人に告白するんだって!!」
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その話をしたあと、その告白の相手は〇〇(私の名前)だよ!!と言い張ります。
でも私はそれを信じて期待して結果が違かったらショックなので、それは絶対ない、と否定し続けました。
そしてクリスマス2日前の23日。
Aと私は登下校も一緒なので、この日も部活が終わって一緒に帰っていました。
その途中に、Aが「今年はクリスマスプレゼント何もらうの??」と聞いてきました。
私の家はサンタさんの正体が分かってからも、毎年欲しいものを頼めば朝には枕横にプレゼントが置いてあるのです。
それをAは知っていて聞いてきたんだと思います。
その時私はスノードームが欲しかったので、「スノードーム!」と答えました。
するとAは、「買ってあげようか、俺が」と言うので「いいの??」と言ったら、「プレゼント」と言って笑ってくれました。
そしてAは、「だから…2日後のクリスマス予定空けといて。」と言ってきました。
その場では普通に「分かった!」と答えけど、家に帰ってから嬉しさで爆発しました。
その次の日に友達にそのことを話すと、「やっぱりAはあんたに告白しようとしてるんだよ!!」とこれまた大興奮。
正直私も、この状況なので少しは期待しているのは間違いなかったです。
そしてその夜、クリスマスの前日。
Aが私の家を訪ねてきました。
私の部屋に通すと、「明日の待ち合わせ場所と時間決めよう」と言ってきたA。
Aは私と待ち合わせる前に予定が入っているようで、いつもは家の前で待ち合わせをするけど、その日はちょっと離れた公園に15時に待ち合わせをすることにしました。
待ち合わせ場所と時間を決めたら、Aは「もう少しいてもいい??」と一言。
どうせ家もすぐ隣だし…と思って私は「いいよ」と言いました。
その後は二人で昔のアルバムをみて大笑い。
なんせ生まれたときから一緒なので、私とAの小さい頃のアルバムには二人で写っている写真ばかりです。
それを見て「あんなことがあったよね」と話していると、あっという間に一時間ちょっと経っていました。
そこでAは「じゃ、俺もう寝るわ。おやすみ。また明日!」と言って帰っていきました。
その後私は次の日に着ていく服としていくメイクを決めて、「どうかAの告白の相手が私でありますように」とお願いしながら眠りました。
次の日の14時30分。
この時間に家を出ると15時前には公園につけるので、家を出ようとお母さんに声をかけました。
毎年恒例のクリスマスケーキを作っていたお母さんは、「ここから少し離れたところだけど、事故があったみたいだから気をつけてね!」と言ってきたので、怖いなぁと思いながらも返事をして家を出ました。
もうその時の私の気持ちはワクワクとドキドキでいっぱいでした。
14時50分。
待ち合わせ場所の公園に着きました。
ちょっと早かったせいもあってAはまだ公園にいなかったので、ベンチに座って待つことにしました。
15時00分。
待ち合わせの時間丁度になってもAは来ません。
予定が長引いているのかと思って、「もう公園着いてるから、待ってるね」とメッセージを送りました。
15時30分。
まだAは来ません。
メッセージも返ってきません。
16時。
まだAは来ません。
私の体が冷えてきました。
それからずっとずっとAを待ち続け、時間は18時。
流石に風邪をひくな、と思って家に帰ることにしました。
家に帰るまで私は「クリスマスに誘われたのは夢だったのかな」とか、「家の前にAがいて"クリスマスに誘ったことなんて嘘だよ"って笑ってるのかな」とか色々なことを考えました。
だけど、悲しい気持ちがあったのは確かです。
家に帰ってしばらくすると、電話がきました。
お母さんが料理をしていて手を離せない状況だったので、代わりに私が出ることに。
電話の主はAのお母さん。
Aのお母さんならAがなんで待ち合わせ場所に来なかったか知っているかな、と思ってそのことを聞こうとすると、電話の向こうからAのお母さんがすすり泣く声が聞こえてきました。
「どうしたの⁉」
と私が声をかけると、Aのお母さんは何かを話し始めました。
でも、泣きながら話しているのでうまく聞き取れません。
もう一度聞くと、Aのお母さんは呼吸を整えてこう言いました。
「〇〇(私の名前)ちゃん…
Aが死んだの、死んだ…」
それを聞いた瞬間私の背筋に寒気が走って、受話器を落としてしまうほどでした。
あとから聞いた話では、Aは私に買ってあげると言ったスノードームを取りにお店に行っていたそうです。
なんでもそのスノードームには他のスノードームとは違う特別なものが入っているらしく、1日経ってから取りに行く必要があったらしいです。
その出来上がった私にあげるスノードームをお店でもらって、家に帰る途中。
年配の男性の運転するトラックにAは轢かれたそうです。
しかも飲酒運転でした。
Aは即死。
唯一大事そうに抱きしめていたのは、私にあげるスノードームが入っている袋だったそうです。