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先生の背中を追いかけて

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名前:いりこ 投稿日:2021-01-01

これは僕が高校一年生のときの話です。
このとき担任になった先生が僕の人生を変えてくださる人になるとは思いもしませんでした。

当時、

僕の出身中学から同じ高校に進学した人が誰一人おらず、見慣れない人ばかりの環境に人見知りが激しかった僕はこれから始まる高校生活に不安しかありませんでした。

しかし残念なことにそんな不安は見事に的中してしまいました。

僕の高校は1クラスに男子の人数は一桁が当たり前のような学校で女性の方が圧倒的に多かったです。
女性恐怖症の僕からしたら苦手とする環境のオンパレードでした。

そんな中、友達も出来るはずもなく教室に一人で過ごす毎日に呆れてしまい転校を考えていました。

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しかし中々決断には至りませんでした。

理由は将来の夢が保育士なのですが通っていた高校が保育士の資格が取得可能な大学へ内部進学できるからでした。
ここで転校したら内部進学は出来なくなる、そう思いひとまず担任の先生に相談してみました。

そしたら担任の先生から
「○○くん(自分)には○○くん(自分)のペースがあるからこれからゆっくり友達を作っていきなさい。何かあれば助けてあげるから言ってね」
と言われました。

その言葉を聞いたときはすごく嬉しかったです。

しかし女性恐怖症はずっと変わらずその言葉を先生から頂戴していただいてもずっと話しかけられずにいました。
悩みに悩んだ末、転校しようと思い数週間後にその決意を担任の先生に言いました。

そしたら担任の先生は「○○くん、確かに俺はあのとき自分のペースでいいから自分で友達を作りなさいとは言ったよ。けどね、厳しいことを言わせてもらうと今の君のその判断は逃げてるだけだよ。自分から誰かに話しかけたりした?そのアクションもないのに『自分はクラスの雰囲気に合いません。だから転校します』はハッキリ言って逃げてるだけ」
と言われました。

さらに担任の先生は続けて
「保育士を目指してるんでしょ?保育士は女性が多いからこのクラスでダメならなれないよ。自分の将来のためだと思ってもう一回頑張ってみて。もし自分から話しかけてバカにしてくるやつがいたら俺が『ふざけんな』ってそいつに言ってやるけぇ頑張れよ。俺も○○くん(自分)が友達が出来るように頑張るけぇ」
と言われました。

それを言われた瞬間、

なんで保育士という夢を否定されるのか、
何でそこまで言われなければいけないのか、

と恨んでいました。

その会話があって数日後、

突然クラスの子が話しかけてきて
「○○くん(自分)ってさ、将来何を目指してるの?」
とか
「これからもまじでアホな自分だけど仲良くしてね」
と言われました。

話をかけてくれたことは嬉しいのですが嬉しすぎて何が何だかよくわかりませんでした。
それと同時にどうして今まで気にかけてなかったようなその子が突然僕に話をかけてくれたのか不思議でした。
なのでその子に尋ねてみました。
するとその子は
「担任の先生に『○○(自分)と友達になってあげてほしい』って頼まれた」
と言われました。

そして自分はその時気付きました。
あのとき担任の先生は嫌がらせで夢を否定したわけではなく、中々一歩を踏み出せない自分の背中を押してくれたのだと…先生はわざと厳しい言い方を自分がどう思われようが生徒のためを思って行動してくれたのだと…そう思うと一瞬でも先生を恨んでしまった自分が情けなくなりました。

そして高校一年生の最後の授業で担任の先生に感謝の意を込めて手紙を渡しました。
その手紙には僕の友達を同じクラスから探してくれていたことへの感謝、恨んでしまったことへの謝罪などを書いていました。
その手紙を受け取った担任は
「いいところあるじゃん!あとで職員室でゆっくり読むね。これからも頑張れよ!俺はいつまでもお前の味方だからね」
と言いました。

そしてこのときまだ僕は知らなかったのです。
これが担任の先生との最後の会話になることを…

そして春休みにたまたま学校に用があり電話して担任に変わってほしいとお願いしたとき、電話に出た先生から「○○先生(担任)ならもうこの学校辞めたよ」と言われました。

すごくショックでした。

担任の言葉があったから頑張って話しかけてくれた子以外にもクラスの子と話すこともできるようになったからです。


そして高校二年生に進級した数日後、
一年生のときの担任の先生と仲が良かった先生に今までの経緯を全て話しましら。

「○○先生(一年生の担任)に会うのは難しいですか?」
と聞いたら
「んー、正直他の高校に転勤されてるから今すぐにっていうのは難しいかも…でもね、これだけは覚えとって。心の底から会いたいって願っていれば必ずまたどこかでいつか会えるから」
と言ってくれました。

僕も担任の先生の言葉を胸に
保育士になったときに
先生みたいに
一人一人の子供に尽くせるような人になりたいです。

というか
絶対になります!
いつかまた会える日を信じて。
先生、本当にありがとうございました。

先生の背中を追いかけて 現在 142pt 泣けた

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