名前:もじゃこ 投稿日:2017-04-19
急な坂をふうふういいながら登り、家族のお墓に着く。
風が強いんだ今日は。
春の日差しに汗ばみながら枯れた花を除去して、生えた雑草を取り、墓を綺麗にふく。
狭い敷地に墓石は五つ、古い墓から新しい墓まで色々。
綺麗になった墓の前にろうそく台を置いて、ろうそくを指す。
火をつけても、風が強いからすぐ消える。
父や兄は、墓の前に置いたろうそく台のろうそくの火が五個同時につくまで何回も何回も火をつけてたな。
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母は一回ついたらもういいからと、父と兄にいつも怒ってたよな。
父はいつも俺に、お前が悪いことしてるからひいじいちゃん、じいちゃんばあちゃんが怒ってて、ろうそくの火がつかないんだ。と、訳のわからない説教始めるし。
でもなせが、一つだけちっちゃいお墓のろうそくだけは、少々風が強くても消えることなく、火がついたまんまだった。
コロは俺が一番可愛がってたから、火が消えんなぁ。と俺が言う。
隣斜めの墓が風が来ないようにしてるだけだろと、兄の突っ込み。
コロとは、みんなが可愛がっていた犬。
母が無理を言って、建てた墓だ。
何十年かしたら、なんの墓かわからんだろなと、父の突っ込み。
お。
風がこんな強いのに五つあるろうそくの火が消えんとついてる。
父ちゃん母ちゃん兄ちゃん、ご先祖様、俺が最近頑張ってるから機嫌いいんか?
元気な限りは必ず墓参り来るからな。
一人で墓掃除はなかなか大変だわ。
でも、また話したい。
ろうそくの火でいいから、
何か俺に伝えることあったら教えてよ。
じゃ、また来るね。