名前:泣ける名無しさん 投稿日:2009-09-25
417 名前:元関西人 投稿日:02/05/09 01:31 ID:TXphvLvW
あれは忘れもしない7年前の冬。
その頃付き合っていた彼女と週末のひとときを過ごしていた俺は、その頃仕事が
忙しく、精神的に苛ついていた。そのため彼女に素っ気ない態度を取っていた。
彼女が帰り際「明日私お休みだから、泊まりに行ってもいいかな?」と聞いてき
たが、苛ついていた俺は断ってしまった。少し寂しそうな顔をしながら、彼女は
私の住んでいる大阪から、一人で自分のアパートのある神戸に帰っていった。
その夜、風呂上がりに軽く電話で彼女と話をし、そのまま寝た。
次の日の朝、何故か早く目が覚めた。
普段は5時50分に起きるのだが、その日は5時45分くらいに目が覚めたのだ。
なんとなく嫌な予感がした俺はテレビを付け、あと5分の惰眠をむさぼろうとし
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ていた。しかし、テレビではアナウンサーがパニックを起こしていた。 「激しい揺れが・・・!」
その声を聞いた瞬間、地響きが聞こえ空間がゆがんだ気がした。直後、下から突
き上げられた衝撃を受け、部屋全体がゆっさゆっさと揺れ始めた。
それは1995年1月17日 午前5時46分の出来事だった。
でかい地震だったな、と思いながら目が覚めてしまったので仕方なくシャワー
を浴び、出勤の準備をはじめていた俺は、付けっぱなしにしていたテレビの映像
を見て激しく動揺した。
明るくなるについれて、ただの地震でないことが明らかになってきた。
あわてた俺は彼女のアパートに電話をしたが、既に電話はつながらなくなって
いた。交通機関も麻痺状態だった。
仕方なく上司に電話したら、とにかく今日は自宅で待機していろとの事だった。
俺はその日一日、テレビに釘付けになり、とにかく一日中彼女のアパートに電
話し続けていた。しかし一度もつながることはなかった。
ふとテレビに見覚えのある町並みが写った。
しかしその光景は俺の記憶にある光景とは激しく異なっていた。
「うああああああああああああああああああああああ!」
気が狂わんばかりに俺は叫んでいた。一瞬テレビに映った光景は、彼女のアパー
トのある町が激しい炎と煙に巻かれている光景だった。
後日、私の元に一通の手紙が届いた。
私の部屋に泊まりたいと言ったが、結局神戸に帰った日、帰り道である大阪駅の
喫茶店で彼女が俺に書いた手紙だった。
その手紙で、彼女が俺を気遣って俺の側にいたかった事を知った。また今度泊ま
りに行くとも書いてあった。
7年前のあの日に戻れたら、俺は絶対に彼女をアパートに帰さないだろう。
阪神大震災、多くの犠牲者の中に、俺の最愛の女性が含まれている。