名前:みぞざる 投稿日:2009-09-25
投稿日:2008/07/13 投稿者:みぞざる
あれは中学三年くらいだったか
クッキー
そうゆう名前の子犬が
家に来た。
とても犬が飼えるような
家でもないし金もない
俺の実家はペット禁止のボロアパート
母の友達が子犬が産まれたからと
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母が子犬を借りて来てくれた俺は犬がすごい好きで
小さい頃から犬との生活が夢だった
もちろん家で飼う事ができないから
隠れて二、三日借りて
返していた
散歩に行くと
小さなクッキーがチョコチョコと歩き
とても可愛く大好きになった
ある日また母がクッキーを借りて来た
クッキーの腕にギブスみたいな物がついていた
母が
「自転車のカゴから落っこちちゃって、ごめんね。」
と泣きながらクッキーと俺に謝っていた
片親だから女手一つで俺を育ててくれた母
いつも堂々として
泣き顔など見た事なかったので戸惑いながら
「クッキーも次からはカゴから飛び出さないよ、なっ!クッキー。」
と話しを流した。
そんな風に可愛いクッキーと何度も散歩を重ねているうちに
とうとう住人にもばれ
大家から苦情がきた
それ以来
クッキーを借りて家に連れて来る事ができなくなった
飼い主の家までは
自転車で一時間
母は仕事を夜遅くまで
俺は部活でくたくたになり休みもない
なかなかクッキーに会いに行けなかった
前は部活で疲れても
クッキーとの散歩で癒されていた
クッキーに会えなくなり
何ヶ月経っただろうか?
ある日家に帰ると
大きな犬が玄関の前に
俺を見るなり飛び付いて来た
かなりビビったが
クッキー?
あの小さかったクッキー?
そう気付き
急いで部屋に入れた
一年位見ないうちに
こんなに大きくなるなんて
さすが柴犬
「クッキーだれにも見られてないか?見られたら追い出されちまうよ。でもありがとう、すっげー嬉しいよ。」
などずっとじゃれ合っていた
ガチャ
母が帰って来た
「クッキーっ!」
見るなり驚いていたが
抱き着いていた
母に訳を話し母が
「きっと逃げちゃったんだね、それにしても自転車で一時間もかかるのに、しかもカゴに乗ってしか来た事ないのに。」
とぶったまげていた
すぐに飼い主に電話していた
俺は気にせず久々のクッキーとじゃれていた