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「何だ若いのに、青い顔して。飯食ってないんだろう。」
「はい。。」
「ほれ見てみろ。今にも死にそうな顔して。飯くらい奢ってやるから付いて来い。」
と自分自身半分訳の分からぬまま、おじさんに付いて行き、自分の西成来るまでの経緯を全て話しました。
おじさんは黙って俺の話を一通り聞いた後、
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「馬鹿な事しやがって。」 と吐き捨てる様にいいました。
そして長い長い沈黙後
「坊主、ちょっと付き合え」
と突然店を出て歩きだしました。
ただ自分は訳も分からず付いて行くことにしました。
シティーホテルの前でおじさんは突然立ち止まり、
「お前はそこで待ってろ」
と一人フロントに入って行き、しばらくして自分も呼ばれ、ホテルの一室の中に通され
「しばらくだけどこの部屋寝泊りに使っていいぞ。」
「いや、そんな事してもらったら申し訳ないですよ。」
「一文無しの分際で知ったような口聞いてんじゃねぇ!!」
「でも。。。」
「いいんだよ。今日パチンコで大勝ちしたから。」
そんなこんなやりとりがあり、俺はその部屋で2週間寝泊りする事になりました。
その間の2週間おじさんと色んな話をしました。
おじさんホントいい人で言葉数は
少なくすぐ怒るんだけど、まっすぐな人で、照れ屋で。
おじさんも若かった頃は九州でバリバリ働いて、妻子も養っていたんだけど、病気で体壊して、会社クビになって
妻子にも逃げられ、流れ流れて行き着いた先が西成だったらしい。
ちょうど息子が順調に生きてたら、今頃俺ぐらいの年で、実の息子には何もしてやれんまま離れ離れになった
から、路上で野垂れ死に寸前の俺を見て、息子の変わりにこの子にできる事があればしてあげよう。
って思ったらしい。
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そして一日一日が嘘のようにあっと言う間に過ぎていきました。
本当に良くしてくれました。
朝は一緒に喫茶店でモーニングを食べ、食べ終わったらおっちゃん日雇いの仕事行くみたく、自分の食べる昼ごはんと、俺の分いつも買ってくれて「いい子で待ってろよ」ってまるで俺子供扱いでした。
おれ、何度も仕事手伝うよって言ったけど最後まで付いていかしてくれませんでした。
そして晩は晩で一緒に食べに行き、本当に親子みたいな関係でした。
おっちゃんが店のマスターに
「子供さん連れてきはったのですか?」
て聞かれ、本当に嬉しそうな顔して否定してた。
俺も今までこんなに人から親切にしてもらった事なかったから、本当に嬉しかった。
世の中捨てたもんじゃねぇなって。
初めて心から信用出来る大人に出会えた喜びでいっぱいだった。
でも同時に俺の存在がおじさんに負担をかけてる現実がたまらなく辛かった。
この生活はいつまでも続くものじゃないって、何より自分が分かっていたから。
そして俺自身、いつ自分からこの事言い出そうって思ってた。
そしてある晩、おじさんから俺の部屋に入ってきて、話始めた。
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「この2週間、お前と知り合えて楽しかったよ。でもいつまでもお互いにこんな生活続けていかれへん。お前これからどうするつもりや?」
「うん。とりあえず西成出て、仕事探しながら交通費貯めて知り合いのところ訪ねていくつもり。やねん。」
「そうか。そのほうがええ。この街なんか一日も早く離れ、養ってもらえる所があるんやったらそこに行きなさい。」
そう言っておっちゃんが最後に5千円を俺のポケットにねじ込んでくれました。
