名前:エム 投稿日:2016-04-30
彼は肺がんで入院していて、余命宣告されていました。
本人は退院してからの仕事予定もいれ、これからの人生に気力を振り絞っていました。
私と彼は半同棲状態、彼はバツイチ・だいぶ年上ということもあり、結婚にはなかなか踏み切れずにいました。
私は病室で彼にプロポーズしました。
彼はもちろん、とOK。
私が喪主として、彼を送ってあげたかった。
私達が夫婦同然と知っていた彼の親戚や私の親からも反対はありませんでした。
そして病院のとなりの区役所へ、入籍書類を出しに行きました。
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そこは私は本籍地でしたが、彼の本籍地ではなかったため、彼の戸籍謄本がいると窓口で説明されました。郵送でも取り寄せ可能と説明を受けました。通常1~2週間かかるとのこと。
私は、受付してくれた担当女性に
彼はとなりの病院へ入院していてその人生にもうあまり時間はないことを説明しました。
たぶん私は泣きそうだったと思います。
担当女性は「しばらくお待ちください」と言って書類を持って席をはずし、私は15分ほど待たされました。
そして戻ってきた女性が
「入籍できました。手続きは終えました。」と言って、その証明書類を渡してくれました。
私は驚いてどうして?と聞くと、彼女は
「役所同志でやり取りしました。例外ですが…」と話してくれました。
泣きながらお礼を言って、とてもとても嬉しいことを彼女に伝えました。
その入籍から23日後、彼は退院することなく、空へ還っていきました。
遺産や保険金どころか、彼の借金があったくらいでしたが、結婚できて、彼の姓になれて、主人とまわりに言えて、私は本当に良かったと感じています。
あれから3年…
毎日主人に会いたいと思っています。
あの日、あの時、入籍できて本当に嬉しかった。
受付の女性のかた、
本当にありがとうございました。