名前:愛されて育った娘 投稿日:2017-05-23
パパ、ママ、私、妹の4人家族で周りからも仲が良いと言われるほどの円満な家族。小さい頃から大好きなパパとママ。何一つ疑う事もなく暮らしてきた17年。
そんな高校2年生のある日。夜の10時過ぎだったかなー。ママが突然部屋に来て私に話があると言った。
「話さなきゃいけない事がある」っていきなりママが真面目な顔で言うから嫌な予感はしたけど半信半疑で
「何?離婚すんの?」って聞いた。だけどママは首を横に振る。
「じゃあ何?あ、実は私ママの子じゃないとか?笑」って笑いながら聞いたらママが泣き出した。正直心の中で“えっ嘘でしょ…”って思った私にママが言ったよね。
『パパの子じゃないんだ』って。泣きながら言うママを見て疑う理由がなくて頭の中を必死に整理した。
どう考えても私の記憶の中にはいつもパパとママと妹の4人家族しかいない。混乱してる私にママが話し始めた。
「あなたが1歳になる前に離婚したの。離婚の原因はパパとママの色んな不一致。だけどお父さんはあなたの事すごい可愛がってたよ。生まれた時から離れる最後の最後まで。最後の思い出に3人で動物園に行ったの。凄い楽しそうにしてた。お父さんと最後にバイバイするときあなたはすごく泣いたの。まるでもう本当にさよならするのを分かってるみたいに。お父さんも泣いてたよ。」
泣きながらも真剣に聞いてた話。そんな中でも心の中でお父さんに愛されてたんだな。大好きだったんだな。って落ち着いて思えた。
それと同時に今までパパがどんな気持ちで私に接してくれていたのかを考えたら涙が止まらなかった。この17年間1度も違和感を感じずに生きてきたから今更パパがパパじゃないなんて思えるわけもなくて、考えても考えてもお父さんの記憶なんてなくて…。
「過去になにがあっても私のパパはパパだけだよ。」って。ママはそれを聞いて更に泣いてた。私も一緒に泣いた。2人で日付が変わっても泣いたり笑ったりしながら私の小さい頃の話を話した。お父さんは私に顔も性格も似てる事とかパパと違って器用な事とか!笑
自然とお父さんを嫌な人だとは思わなかった。お父さんをお父さんとして受け入れられた。
変な話だけどパパとお父さん。私は2人の父親がいる事に後ろめたさを感じない。23歳になって一児のママになった私は自分の我が子をこれでもかと愛する旦那を見ているからきっと私のお父さんもそうであったと思いたい。
話を聞いてから5年、会う勇気は未だにない。だけどいつか会えるその日が来たら聞いてみたい。
「私が生まれた時、どんな気持ちだったの?」と。