名前:名無し 投稿日:2010-12-04
頭がすげー良くて、んで口も上手い奴で、そいつには何度も騙された。
けど、それと同じぐらいそいつの嘘を俺は見破ってきた、と思う。
ハナから嘘臭い話に俺が疑ってかかると、本当の場合は焦って「いやマジだから」「これは嘘じゃねーよ!?」と言う。
俺を騙せようが騙せまいが、作り話の終わりには「まあ嘘だけど」と必ず添える、そんな奴だ。
そいつが高校卒業後すぐに事故って、んで、連絡来たんだけど俺が病院着いたときには、そいつ、もうご臨終した後で。
霊安室から車にそいつを親父さんと一緒に運んでさ。
親父さんが運転、妹さんと俺とそいつで後部座席。
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その間ずっと、悲しいっちゃ悲しいけど涙は出なかった。んで家路の辿りがてら、親父さんと妹さんが事故の詳細やらを俺に説明して……、それで親父さんがなんか逆に俺に聞いてきたのよ。どういう意味だ?って。
意識切れる前に親父さんと妹さんに「悪い」「駄目っぽい」「楽しかった」ってそいつ言って、最期に、俺に言付けしたらしいのよ。
それ聞いて、すげー泣いたんだ。
多分、感情が追いついていなかっただけなんだな。
「『嘘じゃねーからな』って何の事だ?」
そんなんわかるっつーの、親友。