「ねぇ、ヒデくん なんで出棺の時に棺の近くに居ないし、そこで立っているの?」
ただ俺は、そこに立っといてと言われたから そこに立ってただけで、隣におっちゃんも居るし、なんで?と思った。
「なんで?ここに居たらダメなの?」
そう答えると親戚達は
「そうよ!位牌はお兄さんが喪主だから持つにしても、おばあさんが遠慮して前に立ってないんだからお兄さんの嫁が遺影を持つんじゃなくて、あんたが持つのが普通よ?弟さんが骨壷持ってるのに~!」
よく分からなかったんだけど、後を継ぐ兄が喪主として、おばあちゃんは心傷もあり、前に立ちたがらなかった、淡々と進められる進行に出棺時に棺を持つ者で何か小声で言い合いをしていた。
隣でおっちゃんが唇を噛み締めながら
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「ヒデは母さんの息子だぞ!ヒデ~、母さんはいつも お前の事を気にしとった。すぐカッとなって喧嘩して傷害事件起こすし、バイクのって暴走して捕まるし、こんな体になって、いつ逝くか分からん状態でヒデだけが気掛かりだって言ってたんだ…いくらお前の素行が悪いにしても、たった1人の親を送りだすのにおっちゃんと同じ扱いはダメだろぉ…」
おっちゃんは目に涙を浮かべ噛み締めながら小声で言っていた。
俺はどうしようもなく、ただ突っ立ってたんだ。
すると 進行役の葬儀社の人が来て
「あの、出棺時の棺を持つ人なんですが
ヒデさん、あなたとおばあ様の兄弟様が一番前で持つという事なんで。」
俺はよく分からんかったけども
「あぁ…はい。」
と言って棺の所に向かった。
なんか凄く違和感を感じたのを覚えてるけど歩いて向かってる距離は数メートルなのだけど、少し向かって戻った。
「おっちゃん!おっちゃん!おっちゃんも俺と来てよ!おっちゃん、俺にとってはかけがえの無い家族だし、母さんの親族だから、おっちゃんもそこに立ってたらダメだよ!ガッハッハッ」
涙も鼻水も垂らしながら顔は無理に笑いを作っておっちゃんの真似をしながらおっちゃんを呼んだ。
親戚一同もおばちゃんの旦那だった事も知ってるし、皆、目に涙をを浮かべ、ウンウンと頷いていた。
おっちゃんは顔をシワクチャにさせて
「おう!」
って一緒に出棺に行ったんだ。。
こういった行動するのにも訳があった、、、
母さんの死ぬ前の言葉で
「延命処置はして欲しくない。」
これともう1つ俺は母さんに託された事があったんだ。
「おっちゃんの事を頼む」
この託された事が一層おっちゃんという存在を引き立たせた。
おっちゃんが癌を宣告されて闘病してても尚、俺に向けて明るく
ガッハッハッってやるもんだから思い出させられた事が蘇る。
記憶の中で
母さんの願いをノーカットで再現する。
母「ヒデ、私ねー、、、おっちゃんと付き合ってるの、、、」
俺「ブッ!!!は!?どう言う事??」
母「だから、私おっちゃんと付き合ってるの!」
俺「あの、おっちゃん?え!?わけ分からんw」
母「あの、おっちゃんだよ!!それでね 私の病気もあって透析もしてるから遠くまでは行けないけど 隣町にある温泉で小旅行計画してるのw」
母さんは満面な笑みで語ってた事もあり、俺はその事実をすんなり受け入れたんだが
俺「それで?wいつからなの??おっちゃんとは!!!」
母「それは内緒!wこれから真剣な話をして良い?」
母さんは少し強張った顔になって尋ねてきた。。
俺「うん。良いけど?どうしたの?」
母「これは、お前にしか話さなかったし お前にしか頼めない事だから…
もしも私が逝く事があれば おっちゃんの事を頼むよ!おばちゃんも私も愛した人でお前の一番の理解者、、もしも私が逝くような事があれば独りぼっちになってしまうから。お願いね!」
俺「ああ!大丈夫だよ!それ頼まれたよ!ちゃんと俺が付いてるから大丈夫!」
母「頼んだよ!wあぁ~言っちゃったw
内緒だからね!分かってるの?w内緒だよ!w」
この時の母さんは、終始笑っていた。
今思い出すと、おっちゃんのガッハッハッとカブって涙が溢れたんだ。
そんな俺に何度も助け舟を出してくれるおっちゃん、そして心、想いで生き続けている母さんの記憶。
人生経験は豊富ではないかもしれないけど いつかは おっちゃんのガッハッハッと笑い、母さんみたいに破天荒ながら、ビッグな人生だった事を超える楽しくて、頼り甲斐のあって強く図太い人間になろう!
では最後に
結局 おっちゃんと母さんは小旅行出来ずに母さん死んじゃって、計画しただけになってしまってる。
俺の生きるという生の執着を引き戻してくれたおっちゃんと母さんの想いに応えると意味を込めて 温泉旅行に連れて行こうと思う。
その時におっちゃんにいつからだったの?と聞こうかなw
