4 :ユウキ:04/06/04 23:37 ID:5A1ZBD7t
俺は物凄く悪い予感がした。
俺は診断結果を聞く日だってことは知ってたし、それを早く聞きたくて学校の授業が手につかなかったぐらい気にしてたから、その母親の顔がすべてを物語っているのがわ
かった。しかし俺は母親に聞いた。
「ミルどうだったの?」
「・・・だめなんだって・・・」
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「え?意味わかんないし」
「もう治らないんだって・・・」
「うそでしょ?風邪じゃん!治らないはずないじゃん!」
「猫の・・・猫の白血病なんだって・・・生まれつきの・・・」
「いや、ありえんし!まじで意味わからんて!!」
言ってる途中にもう泣いてたかな。そういって俺は走って部屋にいった。
その日の夕食の時、俺らは無言でご飯をたべてた。その時父親が帰ってきた。
父親はいつものように帰ってきて、そしていつものようにビールをだした。
5 :ユウキ:04/06/04 23:38 ID:5A1ZBD7t
しかしミルのことを気にしてるのは明らかだった。
しかし自分から言うのが恥ずかしいのか、診断結果を俺らに聞かない。知ってか知らずか母親はいった
「ミルね・・・生まれつきの白血病なんだって・・・たぶん風邪は治らないだろうって・・」
父親は一瞬凄く驚いた顔を半分凄く悲しそうな顔をした。だけど、すぐにいつもの父親の顔になって
「そうか・・・治らんはずだよな・・・」
そういって、父親はビールをぐっと飲んでまたご飯を食べ始めた。
俺はそれだけしか言うことないのか、と思ったが、これ以上この父親にミルのことを言っても無駄だと思い何も言わなかった。
ミルが風邪を引いてから1ヶ月を過ぎたころ、ミルはもう動くのが辛そうで、ほとんど動くことはなくなった。
いつもヨダレがでっぱなしで見ていられなかった。
母親なんかは安楽死させてあげたいなんていってた。でも俺は絶対に嫌だった。
ミルを撫でると嬉しそうにしっぽ振るじゃん、ノドをこしょぐるとゴロゴロいうじゃん。
ミルは餌だって自分で食べにくるし、トイレにだっていくじゃん・・・ミルは絶対に生きてたいはずじゃん・・・
そんなミルがいつも休んでいる場所は父親の机の下の座布団だった。
姉ちゃんは仕事から帰ってきたら家族に挨拶よりも先にミルに会いに行った。
俺も学校から帰ったらまず何よりも先にミルを撫でにいった。
撫でてミルがしっぽを振ったのをみて初めて安心してた。
7 :ユウキ:04/06/04 23:39 ID:5A1ZBD7t
しかし、その時は突然やってきた。
休日の夜、偶々父親、母、姉ちゃん、俺がそろっていた夜だったんだ。
いつものように俺らはリビングでテレビをみていた。
すると、廊下の方で何かにぶつかるような音が聞こえてきたんだ。
俺らはみんな廊下に走った。
そこにはミルが廊下にあるトイレにいこうとしている姿があった。
ミルは動くのだってすごく辛いはずなのにトイレにいこうとしていた。
何回も転びながらそれでもいこうとしていた。ついたミルはトイレをして、また父親の机の座布団の下に戻ろうと廊下をまた歩き出した。何回も転びながら。
俺らは号泣した。
「もういいよ・・・・もういいって!」
母親は転びながら廊下を歩くミルを抱き上げようとした。
しかし、そうしようとしたその時、ミルが転んでも、もう起き上がらなくなった。
ミルの呼吸のペースがすごく速くなって、お尻からは血がでてきた。
その時はミルは本当に今まで聞いたことないような声で鳴き始めた。
ウワォァーウワォァーウワォァーっていう感じだった。
本当に泣いているような、もうさよならだっていってるかのような、本当にそんな感じだった。