泣ける話ちゃんねる|泣ける話と感動する話で涙腺崩壊

シスターとの約束

  1. TOP
  2. 交流
  3. シスターとの約束

名前:マサル 投稿日:2016-06-18

西暦1972年3月ぼくはこの世に生を受けました。
ぼくには本当の誕生日がありません。

ナゼかというと、ぼくは生まれて間もない頃に、
キリスト教の施設の前に捨てられていたからです。

当然親が誰なのかどこにいるのかも分からず、名字も名前も分からないので、
施設のシスターが届け出を行って市町村長が性別の確認を行ってから、通常は名前を決めて戸籍登録をするそうです。

ですが、ぼくの場合はキリスト教の施設のシスターの出した名前の候補が認められてその名前になりました。
当然本籍地はそのキリスト教の施設の住所になり、そこで当たり前に生活しました。
0才から15才までその施設で育ててもらいました。

物心がついた頃から不思議な違和感を感じるようになって、

SPONSORED LINK
その意味が分かったのは小学生になってからでした。

ぼくらの育った施設は認可を受けた施設でしたが、ぼくの年代は第2次ベビーブームの頃で、ぼくみたいに親のいない子、親はいるけど一緒に暮らせない子を合わせると52人の子供が一緒に生活していたから、当たり前の話ですが、肉なんか年に数回しか食べられないし、量も決まっていたし、当然好きな物を食べるという事もありませんでした。
だからぼくは学校の給食が大好きでした。

学校にいけばカレーにもシチューにもお肉が入っていて、時々から揚げも食べられて、プリンも食べられて、パスタも食べられて、本当に給食が楽しみで仕方ありませんでした。

そして忘れもしませんが、小学校2年生の時に、風邪で学校を休んでいるクラスメートの給食のプリンを誰が食べるかで欲しい子供たちが前に出てジャンケンで決めるという事がありました。
その時にその中の一人がぼくに向かって
「お前は帰れ!お前は施設の子供だから給食費払ってないんだから、食べる資格がない!」
そう言われました。

その頃は施設で暮らしているという事が、どういう事なのか、生まれてからずっと暮らして来た所だから違和感は全くありませんでしたが、周りのクラスメートからも
「施設の子はお父さんもお母さんもいないんだぜ!」
「えっそうなの?」
「親に捨てられたから施設で暮らしているんだぜ!」
そんな罵倒をかなり受けました。

その時はなにか分からない悲しい感情が込み上げてきて、その場から逃げ出して校舎の裏で泣いていると、
ぼくと同じ施設で生活している小学5年生のA君が声をかけてくれて、
「オレらは強くならないといけない!オレらは強くならないといけないんだ!」
そう何回も繰り返して言われて
「泣く位なら相手を倒して来い!」
そう言われました。

ですが、その時はケンカなんかした事も無かったので、ただ泣き続けていたら
「強くなれ!負けるな!」
「強くなる気があるのならオレが鍛えてやるから!」
そう言われてぼくはただ泣き続けながら何回もうなずいていた事は、幼少の記憶の中でも鮮明に覚えています。

それからは学校と寝るとき以外は、ほとんど一緒に過ごすようになって、一緒にいろんなイタズラもして、ケンカの特訓だと言って野山を走り回ったり、夏休みには施設から逃げ出して廃工場で3日間キャンプしたり、今で思えば良い部分も悪い部分もかなり仕込まれた様なきがします。

その後は中学校に入学して、

A君が中学校を卒業して就職。
夜には夜間高校に通う為に施設を出て行く日。
A君は他県の会社に就職したので、
会う事も出来ないし話しをする事も出来なくて、
悲しくてしかたありませんでした。

施設を出て行く時にA君は
「絶対にお前が中学校を卒業するころには、迎えに来てやるから!」
「それまでに絶対に今より強くなっていろよ!」
「いいか絶対に負けるなよ!オレも絶対に負けないから!」
そう言って出て行きましたが、A君がぼくを迎えに来てくれる事はありませんでした。
就職先も半年ほどで辞めて、
それから音信不通になって、
今でも何処で何をしているのか?
元気にしていてくれる事を願います。

そしてぼくも中学を卒業する事になり、
県内で就職をすれば18才まで施設で生活しなくてはならなかったので、
それがイヤで他県に就職する事にして、
施設を出て行く事になりました。


施設を出て行く前日。


初めて施設のシスターと2人きりでレストラン(とは名ばかりではありますが)で、好きな物を頼みなさいと言われた。

ぼくはどうしてもメニューよりもその金額の方が気になって、
一番最初に指をさしたのはフライドポテトでした。

そうしたらシスターが
「なにを遠慮してるの?好きな物を食べなさい!心配ないから!」
と笑顔で言ってくれたので、ぼくがオムライスを指さすと、
「本当にこれでいいの?」
と聞かれたので、うなずきました。

それからぼくの前にオムライスが運ばれて来て、
ぼくがそれを食べているとシスターが口を開いて
「もう家に来て15年も経つのね…。時間が経つのは早いわね。」

そう言っているシスターの髪の毛を見ると、
いつもマジマジと見る事が無いから、
分からなかったけど、
髪に白髪がたくさんあって、
初めて
「いっぱい迷惑と心配かけて悪かったな。」
と思いました。

シスターは
「家で育ったこと後悔している?」
と。

シスターとの約束 現在 250pt 泣けた

関連する泣ける話

SPONSORED LINK

泣けるコメント

コメント募集中

  • コメントは投稿規約をよく確認してください
SPONSORED LINK

あわせて読みたい

Code:+