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ある馬との和解

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名前:ラリー 投稿日:2015-10-09

大分前の話ですが、私は、とある県の乗馬クラブに、縁あって勤めていました。

馬が幼少の頃から好きで、動物園へ行くと、必ずポニーに乗りました。
愛くるしい瞳や人間っぽい性格に、ぞっこんになっていました。
友人たちには、やや引かれる程。

やがて、私は乗馬クラブに就職しました。
馬たちは個性豊かで、どの子も愛らしい。

しかし、人間にも好き嫌いがあるように、馬にも好き嫌いがあるのです。
その馬は、若い雄馬でした。
とても可愛いらしい顔をして、やんちゃな性格。

彼は、私の事が嫌いのようでした。

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…何故嫌われているのか、わかりませんでした。

もしかしたら、気付かないうちに彼を傷つけていたのかもしれません。
どうしたらいいか分からず、私は彼との距離を縮めかねていました。

私の態度も、誉められたものではなかったでしょう。
冷めた距離のなか、数年経ちました。

彼は、ある日病気になりました。
寝たきりになり、ご飯も食べなくなりました。
獣医さんが毎日様子を見に来て下さっても、良くなる兆候は見られませんでした。
投薬をしても、運動をさせても、回復しませんでした。
ただただ、とても苦しそうにするだけです。
2日に渡り、私達は付きっきりでいました。

ですが、あまりにも苦しそうで、回復する様子もなく、オーナーは安楽死を選択しました。
残酷ですが、馬の業界は、こうなのです。

薬が注射される直前、スタッフ各々が別れを言いました。
皆、悲しい表情で、彼と話しました。
最後が私でした。
私は頭がパニックで、どう言葉を掛けたらいいか分からず、彼の名前を呼ぶだけ。

そしたら、…鳴いたのです。
横たえた頭を少し上げて。

オーナーは、まるで返事をしたみたいだ、と言いました。
少し前まで、私が何しても無視したり、反抗的だった彼が。

私は大泣きしながら、彼の頭を抱きしめました。
ごめんね、と喉から零れました。

すると、言葉が分かるかのように、微かに頭を動かすのです。

そのまま、獣医さんは彼に注射をしました。
重く、動かなくなった彼は、徐々に冷たくなりました。

・・・

これが、私とある馬の話です。
もう十何年も前の話です。

その後、私は病気になり、一線を退きました。
今でも、馬が大好きです。

あの日、私は彼と仲直りが出来たと思っています。
生きている間にできたら、と思わない日はありません。

しかし、もし出来ずに別れがあったら、と思うと、ゾッとします。
悲し過ぎる別れでも、本当に、最後の最後ですが、彼と和解が出来た。

きっと、今頃天国で、彼は楽しく走っているでしょう。

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