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デジモン

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名前:みぃkun 投稿日:2011-08-06

『デジモン』って、ちょっと昔に流行った携帯ゲームを知ってるだろうか。そう、あれ。
で、当時小学校5年生くらいだった俺はそのデジモンが欲しくてたまらなかったわけ。周りはみんな持ってるしね。家が貧乏だった俺はいつも指加えて見てたわけだ。
そんな中、誕生日を間近にひかえた俺の所にバアチャンが来てね、「なんか欲しいものない?おばあちゃんなんでも買ったげる!」って…。
バアチャンだってボロいトタン屋根の家に住んであんまり裕福じゃない生活してたくせに…。ところがガキだった俺はそんな事情にもおかまいなく即答で「デジモン!!」って応えてた。
もちろんバアチャンはバアチャンだから頭の上にに激しく「????」を羅列させてた笑
ガキながら必死にどんなものか説明に励んでみる。「だいたいわかった。おばあちゃんそれ探して来るわ!」と、意外に納得したようだった。欲しかったやつが遂に手に入る!友達の輪に仲間入りもできるし、もう俺の未来はバラ色だ!と当時の俺は半端じゃない喜びを抱いて指折り誕生日を待ったのを覚えてる。
それから迎えた誕生日。ケーキこそなかったが、夕飯は滅多に見れないご馳走達だった。お腹も満足して、いざ待ちに待ったプレゼントが手に入る!と緊張で身構えていると、バアチャンが立ち上がり鞄からゴソゴソと包み紙を取り出してきた。
キターーーーと言わんばかりに目を輝かせ、「誕生日おめでとう」の言葉と一緒に包み紙を受け取り、心の底から「ありがとう」を返して包み紙の紐を解いた。
中から出て来たのは『デジモン』ではなく携帯ゲーム版のテトリスだった。
空気の読めない小学生がすることなんざ誰でも予想がつくだろう。あれほど楽しみにしてたデジモンが幻へと変わった途端、あらんかぎりの力でバアチャンを罵倒した。
バアチャンは謝った。必死に謝った。涙も流していた。「おばあちゃんバカだから…何も知らなくて…ごめんね…本当にごめんね……」
止まない俺の口から出る雑言に両親はキレたが、バアチャンは両親にまで謝りだす。最終的には俺は家を飛び出し、警察に補導されるまでに至り、普段温厚だった俺の中では軽く大事件だった。それから長い間、バアチャンの家はかなり遠かったのもあり、口を聞かない日々が続いた。旅費もないしね。
月日は流れすっかり大きくなって俺も今年で20を迎えた。暑い夏の始まりに、バアチャンが入院し
たとの知らせを受ける。

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末期の胃癌だった。まぁ…よくある話だ。
家族みんなでお見舞いに行った。バアチャンはもうベッドから起きる体力なんかなかった。帰ろうとした頃、何故か最後に俺だけが呼ばれた。見るに耐えないほど痩せこけた腕でバアチャンが手招きする。近くによると元からちっちゃいバアチャンがもっと小さく見えた。もう骨と皮だけだった。バアチャンがかすれた声で「おいで」と言う。耳を口に近付けるとボソボソっと一言。
「誕生日おめでとう」
もちろん誕生日などではない。ましてや近くもない。しかし、手渡されたあるオモチャ屋の小綺麗な袋には、日付の書かれた誕生日カードと一緒に、紛れもなく『デジモン』が入っていた。
「やっと言えたわ…いっぱいいっぱい探してね…こないだ見つけたよ、デジモン…」
俺はさっぱり状況が理解できなかった。バアチャンはニコニコ笑うだけ。これが俺のためのプレゼントと気付くまで少し時間がかかった。そしてちょっと考えた。
あれからもう10年近くたってる。このデジモンがまず市場で売られているはずがない。だからどれだけ探し歩いて見つけたかは検討もつかない。俺にはただ「ありがとう」っていうくらいしかできなかったけど。バアチャン嬉しそうだった。ちょい泣いたしね。俺も、バアチャンも。
あれから二か月もしないうちにバアチャンは亡くなった。お葬式には親族や知り合いがたくさん集まった。
そこでは俺はやたら声を掛けられた。バアチャンとデジモンと俺。バアチャンの実家一帯では有名な話らしい。
親戚のおじさん曰く、俺の小学生時代から約9年間。本当にデジモンを探し続けていろんな人や店に聞きまわってたんだと。流行が過ぎるのは早く、あの誕生日の日から1年後には既に市場から消えかけていたデジモンを…9年たった今見つけだしたバアチャンはスゴい。結局どこで手に入れたかはわからなかったけど…生半可な苦労じゃなかったのはわかる。
散々文章並べてきてなんだけど…結局はバアチャンに「ありがとう」って言いたいんだ、って話。
本当ありがとな、バアチャン。

デジモン 現在 90pt 泣けた

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