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超えられない存在

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名前:ケンケン 投稿日:2009-12-30

去年の夏、父が死んだ。
ガンだった。


それまで病気一つしない父だったが亡くなる2年前からガンを患っていたらしい。

家族の誰もが父がガンだったという事実を知らなかった。

父が亡くなる1週間前に仕事中に倒れ、病院に行って初めて父がガンだと知った。

父は2年前から1人黙って抗がん剤の治療をしていたがガンの進行が早く、父は担当医に「家族には知らせないでほしい。このまま家族の元で死にたい。」と言っていたらしい。



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僕はその頃、実家を離れ看護の専門学校に通っており、学校に電話が来た。
父が亡くなったという知らせだった。

僕は何がなんだかわからなかった。

急いで実家に帰った僕を待っていたのは体の冷たくなった父だった。

僕は母に事情を聞いた。
「お父さんはガンだったみたい。お母さん達もこの前知ってビックリしてたの。それとね、お父さんが倒れたとき〇〇には伝えるなって、あいつは今、看護師になる勉強を頑張っているから心配はかけるなって言われてたから連絡しなかったの。」


僕はそれを聞いて泣き崩れた。

冷たくなった父を掴み「ふざけるな!!何で黙ってたんだよ!!最後くらいちゃんとありがとうって言わせろよ!!今まで育ててくれてありがとうって言わせろよ!!」と叫んだ。

その日は一日中泣いていた。


父が亡くなって1年が過ぎ僕が看護師として働き始めて間もないある日、母から一本のビデオテープと手紙が届いた。

手紙を読むと
「お父さんが〇〇が看護師になったら渡してって言われて、お母さんが預かってたの」
と書いてあった。

ビデオを見ると、そこには病院のベッドにいる父が映っていた。

父からのビデオレターだった。

「〇〇元気でやってるか??お父さんも元気だぞ。お前がこのテープを見てる頃にはお前は看護師になっているんだろうな。よく頑張ったな。でも、お前を祝ってやれなくてごめんな。お父さんはガンでもう近くにいないんだ。
お前を育てて20年本当にお前が生まれてきてくれて良かった。
昔から息子が欲しくて3人目でやっとお前が生まれてきてくれて本当に嬉しかったよ。お前とキャッチボールをしたり一緒に風呂に入ったりするのが夢でその夢が叶って良かった。でも、本当はお前と酒を飲みたかったし、お前の子どもにも会いたかったよ。
なぁ〇〇、お父さんはお前にとって良い父親だったか??お前の目標としてお前の前にいれたか??

やっぱりお父さんじゃダメだったかな。
お父さんはお前に会えて本当に幸せだったよ。
お前と20年しか一緒にいてやれなかったけど本当に楽しかった。ありがとう。
いつまでもお前を見守ってるからな。」

そこでテープが終わった。

テープを撮った2日後父は亡くなった。

僕はテレビの前で泣き崩れていた。

父の1回忌に墓参りに行き、父に伝えた。

「お父さんは最高の父親だったよ。今でもお父さんは僕の一生越えられない目標だよ。本当に今まで育ててくれてありがとう。」

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