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ぼろぼろのタスキ

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走ってぜぇぜぇいってる俺を見つけた親父は、
「走ってきたのか」
と消えるような声でいった。
うなずく俺に、親父が「そうか」と言いながらベッドから出した手には
ぼろくさい布が握られていて、それを俺の方に突き出し
俺の手にぼろくさい布を渡してきた。

それは小さい頃のあのタスキだった。

「なぁ、走るのは…楽しいだろ」親父は笑いながら言った。


522 :5 ラスト:2006/02/15(水) 04:28:41 ID:VBIQu8j/
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その後すぐに親父の容態は急変して、そしてまもなく死んでしまった。
葬式なんかで慌しく物事に追われ、ようやく落ち着いて部屋に戻った時、
机の上に置きっぱなしにしていたタスキを見つけた。

親父の夢は俺と箱根を走る事だった。そして俺にタスキを渡す事だった。
もちろん一緒に箱根なんて走れない。それは親父が生きていても同じだ。
でも親父は確かに、俺にタスキを渡した。
なぜだか涙があふれて止まらなかった。

そうだ俺は確かに、タスキを受け取った。

冬が明けると俺はまた走り始めた。
小さい頃に親父と走ったあの道だ。
記憶にあるのと同じ木漏れ日、同じ草のにおい、同じ坂道。
ただ違うのは隣に親父がいない事。

今、俺は結婚して子どもが出来た。
いつかこの子に、このタスキを渡したいと思っている。

ぼろぼろのタスキ 現在 39pt 泣けた

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